ワープア暮らしが長くなり、節約の技術も大分洗練されてきた感じがするのですが、私の節約にはひとつのコツがあります。それは節約の中でも「労働力」に相当する部分をカットすることです。

これはつまりどういうことかというと、常々私たちが安いと感じている給料ですが、歴史とグローバルの両面から見れば、実はものすごく高価です。またそれを得る手段としても仕事の量と種類もとんでもなく豊富です。

現代の日本における無職とは、仕事を選んでいるか、あるいは単に働きたくないだけのケースがほとんどです。リーマンショックのどん底ですら、どんな仕事すらなかったという人はほとんどいないと思います。

田中角栄氏の後援会である「越山会」の金庫番と呼ばれた女性の日記ですが、このなかにオイルショックの頃に田中角栄が言った言葉として、「大学を出ても就職口がなかった昭和初期の恐慌に比べたら、今の狂乱物価などたいしたものでない」というようなセリフがありました。

昭和恐慌、すなわち1929年の世界恐慌の後に日本を訪れた大恐慌です。今の誰でも取れる大卒の資格とは比較にならないくらい大卒が高級だった頃に、大卒では人足仕事すら取れなかった時代です。(大恐慌の最中、人足仕事は当然人足が先に奪ってしまうため)

つまり、昭和恐慌の経験がある人からすると、オイルショックなどたいしたものではないという話なのですが、100年に一度と当時言われたリーマンショックも歴史的視点に立てば、全く大した不況であったとは言えません。せいぜい派遣切りやハローワークが混雑した程度のことしか起こらなかったのですから。

このようにいま現在ですら労働力の不足と高騰によって、日本の庶民はあまねく異常に恵まれた状態であるのに、さらに将来的にはこのトレンドが継続するのは間違いありません。

ならば、節約を考えるときに、他人から労働力の提供を受ける機会を日々の生活の中からカットするのが、節約の戦略としてかなり有効なのではないかと私は考えています。

例えば……。