中国留学当時、私が喜んだことと言えば、前述の通り生活費が激安なので日本にいたときにやっていたようなアルバイトを全くする必要がなく、読書三昧の学究生活を送れたことと書籍が日本で買うよりもずっと安いことでした。

東京の神保町には中国史や中国文学、中国思想などを研究する大学の先生方や学生向けに中国書籍の輸入や中国古書売買をほぼ専門にやっている書店が何店か集まっていますが、そういうところの書籍の値段は中国で売られている定価の2倍から3倍くらいはしました。

当時は今のように投資目的で骨董品的な中国書籍を買うことはありませんでしたので、中国に留学した後では、論文書くのに必要な書籍くらいなら、いくら買ってもお金が足りなくなるということはない状態になりました。

庶民の家庭に生まれた身でも、働かなくていいうえに、好きな本はいくらでも買える。ただの日本人でも新興国に入った途端、貴族になる。まさに今の造語でいうところの外こもりのような状態でした。

しかし、当時アンポンタンな私は全く気づかなかったのですが、何も中国で安いのは食費のような生活費や書籍代だけでなく、株式や不動産だって今からは考えられないくらい安かったのです。